聴いてきました「寅彦の蓄音機」
高知高専の細川先生の解説で、寅彦の愛蔵レコード4枚と、追加で1枚を聴いてきました。
9月13日(日)、高知県立文学館所蔵の寺田寅彦遺品の中から、蓄音機とレコードを取り上げ、高知工業高等専門学校准教授の細川光洋先生の解説により、実際に寅彦が鑑賞した音楽を聴く、「寅彦の蓄音機とともに」という催しがありました。
蓄音機は 1921(大正10)年 1月 4日に購入したヴィクター蓄音機(米国製 "Victrola 9")です。銀座十字屋で80円、函12円だったそうです。
今回 聴いた曲は、
- カーン作曲「アヴェ・マリア」 -- エンリコ・カルーソー(テノール)、ミッシャ・エルマン(ヴァイオリン) 1921年録音
- ベートーベン作曲 ピアノソナタ第14番「月光」より、第2,3楽章 -- マーク・ハンバーグ(ピアノ) 1930年代の録音
- チャイコフスキー作曲 交響曲第6番「悲愴」より第1楽章のコーダ(終章部) -- サー・ランドン・ロナルド(指揮)ロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団
- シューベルト作曲「魔王」 -- エルネスティーネ・シューマン=ハインク(コントラルト)
以上、寅彦愛蔵のレコードに 加え、細川先生が特別に調達した
- ベネディクト作曲「みそさざい」 -- アメリータ・ガリ=クルチ(コロラトゥーラソプラノ)1917年録音
の5曲でした。
一曲目は、随筆「蓄音機」 に、子供等から註文されたという "カルソーの「アヴェマリア」" で、グノーやシューベルトとは違った趣きのカーン作曲のものでした。
「月光ソナタ」は、「寒月」にかけた、細川先生の選曲です。残念な事に第1楽章のレコードが失われていて、第2,3楽章のみとなりました。最近のCDで聴く演奏とは音質において比べるべくもありませんが、演奏そのものもやや劣るような気がするのですが、時代による演奏スタイルの違いかもしれません。(すみません、エラそうに言って)
三曲目は 備忘録 の中の「線香花火」で言及されている、チャイコフスキーのパセティクシンフォニー。弦楽器のピチカートの部分を「散り菊」に例えて解説されました。
「魔王」は寅彦が自分の伴奏で歌ったと言う曲。また、寅彦が持っていたものではありませんが、今回の展示の目玉である、子供等の雑誌「みそさざい」の元になったのではないかと推測される、歌曲「みそさざい」が演奏されました。
細川先生は、朗読だけでなくドイツ語の歌曲の一節も歌われるなど、しっかりした声量をお持ちで、解説/朗読/レコード演奏で、1時間半の講演を楽しく聴く事ができました。